数ヶ月気づかなかった目的と手段のズレを直したある確認
「そこじゃないんだけど」と言えるのに、そこが何かは言えていませんでした
頼んだはずのものと、返ってきたものが違う。
指示は出しました。やり取りも何度か重ねました。
それでも、出てきたものを見ると「そこじゃないんだけど」と言いたくなる。AIを使っていると、こういうことが起こります。
そういうとき、たいていは自分の伝え方のほうを疑います。
前提条件を書き足りなかったのかもしれない。もっと具体的に書けばよかったのかもしれない。
私も、そう考えていました。
ただ、私の場合は、伝え方のコツを知らなかったわけではありませんでした。
何をしたいのかは最初から決まっていましたし、そのつもりで運用していました。それなのに、意図がズレたまま数ヶ月が過ぎていたことに、あとになって気づきました。
これは、文章がうまいかどうかや、語彙をたくさん持っているかどうかの話ではありません。 自分の中にあるものが、明確な言葉になっているかどうかの話です。
読み終わるころには、頼んだものと違うものが返ってきたときに、最初に何を疑えばいいのかが、少し変わっていると思います。
私は問題ないと判断し、AIは変えたほうがいいと言ってきました
ごく最近、Threadsの投稿分析と運用方針の確認をしていたのですが、直近の投稿状況を分析した際に、私の判断とAIの判断が全く逆になってしまうという出来事がありました。
私は、直近数日間の投稿のリーチが伸びていたため、この方針のままで問題ないと判断していました。
ところがAIは、この方針では良くない、だから方針を変えた方がいいと主張してきます。言い分としては、「いいね」や「返信」といったリアクションが獲得できていないから、というものでした。
「これだと『いいね』や返信がつかないからダメですよ」と指摘され、「いや、そこじゃないんだけど」と返したときに、初めてズレに気づきました。
このときは、一瞬よくわからないというか、「何なんだろう、どうしてわからないんだろう、え、そこ?」みたいな驚きがありました。
「そこからですか」という、なんだかちょっと途方もない感じというか、少し脱力したような感じでしたね。
指摘の内容そのものは、間違っていません。反応がつきにくい投稿だ、というのは事実として正しいのだと思います。
ただ、私が測りたかったのは、そこではありませんでした。
AIは間違っていませんでした
私にとっての目的は、プロフィールが見られることでした。そのために、リーチを伸ばす。
最適化したいのはプロフィールが見られる回数であり、それに伴ってリーチが伸びることが一番重要だと考えていました。
リアクションがあることは、そのための手段に過ぎません。
確かにアルゴリズムの仕組み上、リアクションが多い投稿の方が伸びやすいという側面はあります。ただ、それはあくまで手段です。
極端な話、リアクションが全くなかったとしても、投稿自体のリーチが伸びていれば目的は達成できているため、何の問題もありません。
もっと言えば、リアクションはあっても投稿のリーチが伸びないのだとしたら、それこそ本末転倒です。
実際には、返信数や「いいね」がつくといったリアクションに最適化されていたみたいでした。
私が手段だと思っていたものを、AIは目的だと思っていた。 つまり、AIの分析が間違っていたわけではありません。
何を成功とするかが、違っていたんです。
ズレていたのは数字の読み方ではなく、どれが目的なのか、という一点でした。この順番が、AIと共有できておらず、正しく伝わっていませんでした。
発覚したのは最近ですが、ズレたのは最初の一回でした
プロフィール閲覧数やリーチの獲得は、当初からの運用方針です。途中で変えたわけでもありませんし、伝え忘れていたつもりもありませんでした。
そのつもりで運用していたのですが、どうもAIには違うように伝わっていたようです。
おそらく、最初にAIと運用方針を決めた段階で、私の提示した内容が曖昧だったか、もしくは正しく伝えられていなかったのだと思います。
私自身が意図を明確にし、言語化できていなかったために、真の意図がAIに伝わっていませんでした。その結果、違う意図で解釈されたまま、それが前提となって運用が続けられてしまったのです。
では、なぜ数ヶ月ものあいだ気づかなかったのか。もし、あのやり取りの相手が人だったら、と考えてみます。
人であれば、聞き返してくれたり、表情や声のトーンから「何か意図と違うな」と察して、すり合わせができたりします。
確認がある程度しやすいというか、最初の指示の段階でこちらの意図がちゃんと伝わっているかどうかを、雰囲気でも感じ取れます。言葉のやり取りの上でも、リアルタイムにすり合わせができます。
つまり、こちらの言葉が足りていなくても、相手の側から取りに来てくれます。
もちろん、人同士でも認識のズレは起こります。ただ、人が相手なら、ズレに気づく材料が多い。
表情、声のトーン、聞き返し、会話の間。その場で確認してしまうので、自然とすり合わせていけます。
しかし、AIが相手だと、今のところそうした微妙なニュアンスのすり合わせが難しく、こちらの意図を明確に一回でスパンと通す必要があります。
人が相手なら、途中で直せます。AIが相手だと、最初の一回で決まります。
やっかいなのは、ズレていること自体が表に出てこないところです。
ズレたままでも、成果物は毎回きちんと返ってきますし、提案も毎回それらしく返ってきます。今回にしても、AIは筋の通った理由をつけて、方針を変えたほうがいいと言ってきたわけです。
その間、私は自分の方針どおりに進んでいるつもりでいました。ズレていると気づく材料が、こちらの手元に一つも出てこなかったからです。
前提となる方針の大きなズレが、ようやく浮き彫りになって発覚しました。下手するともう数ヶ月、そのズレた状態で進んでしまっていたことになります。
ようやく最近になって発覚したというのは、やはり大きなロスだったなと感じています。
伝え方が下手だったから、ではありませんでした
AIを使っていて、やり取りが長く続いてしまったとき。
あるいは、一回指示をして、実装されたアウトプットを確認しながら進めるうちに、大きな欠点が見つかって、大幅な修正を迫られた場面。
今回のこともそうですが、そういうときは「もっと最初からバシッと明確に指示ができていればな」と思います。
しかも、それが何日も使った後で発覚したりするので、その分の時間も労力も無駄になってしまう。そうしたところに、最近はがゆさを感じることがあります。
返ってきたものを見て「そこじゃないんだけど」と言いたくなる。何日か進めた後になって、大幅な作り直しが必要だと分かる。
表に出てくる形は違っても、起きていることは同じです。
こういう場面は、たいてい伝え方の技術の問題として説明されます。
前提条件を整理して渡す。誰に向けたものなのかを書く。
何のテーマで、どんな雰囲気で、どの媒体に出すのかを添える。どれも間違っていませんし、実際に効きます。
ただ、私の場合は、そこではありませんでした。
方針は持っていましたし、そのつもりで渡していました。それでも通っていませんでした。
一回で通じなかったとしても、最初のやり取りでこちらの意図通りに伝わっていないということは、自分の中にあるイメージが明確な言葉になっていないということです。
自分の中にある「こういうもの」が明確な言葉になっていればAIも理解してくれるのですが、それができていないときは、すごくもどかしく感じます。
分かっているつもりでいる。けれど、渡せる形にはなっていない。その差は、返ってきたものを見るまで、自分では見えません。
「そこじゃない」と思ったとき、最初に確認すること
頼んだものと違うものが返ってきたとき。指示の書き方を直す前に、一度だけ、自分は何が欲しかったのかを言葉にしてみてほしいと思っています。
短くてかまいませんし、うまく書けなくてもかまいません。書いてみて、自分でも曖昧なままだと分かったなら、それがそのまま、相手に渡っていなかったものです。
一回で通るかどうかを決めているのは、伝え方の技術ではありません。自分の中が、どこまで言葉になっているかです。
私がもっと使えるようになりたいと思っているのは、伝え方の型をもう一つ覚えたい、という意味ではありません。
自分の思っている意図を、より深いレベルで理解できるようになりたい、という意味です。
「自分が今これをやりたいんだ」「先に目指すものはこれなんだ」ということが、より明確になっていく。
そうなれば、今の行動や取り組みに、よりコミットできる。より尖らせた行動ができる。
自分の核に近いものを、実現していける行動が取れるようになります。
私はまだ、その途中にいます。今も、はがゆさを感じながらやり取りをしています。
それでも、順番だけははっきりしました。
先に確かめるのは、自分の中にあるもののほうです。指示を書き直すのは、その後です。
探究の続きを、一緒に
AIから返ってきたものを見て「そこじゃないんだけど」と感じたことがあれば、コメントで教えてください。
どこでズレていたのかを見ていくと、自分でも気づいていなかった目的のほうが、先に見えてくることがあります。
自分の中にあるものを言葉にする、と言っても、いきなり書けるものではありません。私も、何が欲しかったのかを後から言葉にしようとして、うまく出てこないことがあります。
そこで、このニュースレターを購読してくださった方に「自己探究コンパス」をお渡ししています。
いくつかの問いに答えていくうちに、自分が何を大事にしているのかが、少しずつ言葉になっていくものです。軽く試したい方には3問で終わる短いコース、もっと深く考えたい方には8問のコースを用意しました。
このニュースレターでも、自分の内側を言葉にしていく過程を毎日お届けしています。
返ってきたものを直す前に、自分の中のほうを言葉にしてみたい方へ。 ここから受け取ってください。
無料でご購読いただけます。




なぜか私たちは、AIが最適な解答や成果物を出してくると思い込んでいる。そして最高な結果が得られると勘違いをしている。そんな感じですかな。
歯がゆさ、共感です。相手が人だとしても、最初の前提がズレたままいっちゃって大変なことに。AIでも同じことが起こるのですね💦